【11月5日 Xinhua News】欧州に進出する中国のリチウムイオン電池メーカーが増えている。リチウムイオン電池向け構造部品などの研究開発・製造を手掛ける深圳市科達利実業(科達利)は2日、ハンガリーに完全子会社を設立するほか、最大3千万ユーロ(1ユーロ=約122円)を投じて同国に生産拠点第1期プロジェクトを建設する計画を発表した。なお、同社は10月28日にもスウェーデンに子会社を設立し、その子会社を通じて5千万ユーロまでの投資をして生産拠点第1期プロジェクトを建設する計画を明らかにしている。

 今年9月には遠景科技集団(エンビジョングループ)傘下の駆動用バッテリーメーカー、遠景AESCがフランスでの電池工場設立を検討していることが分かった。これに先立ち、7月に上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」に上場した電気自動車(EV)用バッテリー大手、孚能科技(贛州)も欧州への投資計画を明らかにしたほか、リーティングーカンパニーの寧徳時代新能源科技(CATL)はドイツに電池工場を建設中で、21年初めの稼働開始を予定している。

 電池材料と関連設備メーカーも相次いで欧州に進出している。これまでに広州天賜高新材料、深圳市星源材質科技、山東石大勝華化工集団、諾徳投資、科達利などのリチウムイオン電池材料メーカーが欧州に工場を構えた。また、設備メーカーでは無錫先導智能装備、無錫中鼎集成技術、浙江杭可科技などがプロジェクトを遂行している。

 新興産業に特化したコンサルティング会社、高工産業研究院の高小兵(Gao Xiaobing)常務副院長は中国のリチウムイオン電池メーカーについて、10年近くの積み重ねを経て、技術力や製品の性能、コストなどの面で成熟した体系と経験を身に付けていると説明。欧州の大規模電池プロジェクトの建設に深く関わることは、リチウムイオン電池の中国大手から世界大手へと成長する上で役立つとの見通しを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News