【11月9日 AFP】米大統領選で当選を確実にしたジョー・バイデン(Joe Biden)氏。来年1月の就任時には78歳で、20か国・地域(G20)サミットではサウジアラビアのサルマン国王(King Salman、84)に次いで高齢の指導者となる。世界の高齢の指導者らを見ていく。

■謎めいた人物「ザ・スフィンクス」

 選挙で選ばれた世界最高齢の指導者は、カメルーンのポール・ビヤ(Paul Biya)大統領(87)だ。

「ザ・スフィンクス」の異名を持ち、40年近く政権の座に就いているビヤ氏だが、今年2月にようやく首相を辞任したマレーシアのマハティール・モハマド(Mahathir Mohamad)氏(95)と比べれば、まだ若者にすぎない。

 在位68年となった英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、94)は、在任期間で世界最長記録を保持している。94歳となった今でも、カナダやオーストラリアなど16か国の元首でもある。

■影響力保つ共産主義の重鎮ら

 キューバ革命の英雄、故フィデル・カストロ(Fidel Castro)元国家評議会議長の弟であるラウル・カストロ(Raul Castro)氏(89)は、2018年に議長職から退いたものの、いまだ強い影響力を有している。

 カザフスタンのヌルスルタン・ナザルバエフ(Nursultan Nazarbayev)前大統領(80)は昨年、大統領職を辞任したにもかかわらず、同国の事実上の指導者となっている。

 ラオスのブンニャン・ウォラチット(Bounnhang Vorachith)国家主席は83歳だが、政権の座に就いたのは2016年と比較的最近だ。

■若者が多いが指導者は高齢のアフリカ

 アフリカは世界で最も若い人口を有する大陸かも知れないが、指導者たちはそれを反映していない。

 カメルーンには「ザ・スフィンクス」こと年長のビヤ氏がおり、ジンバブエはその政治的判断力と切れ味から「ザ・クロコダイル」と呼ばれるエマーソン・ムナンガグワ(Emmerson Mnangagwa)大統領(78)が牛耳っている。

 西アフリカ・ギニアではアルファ・コンデ(Alpha Conde)大統領(82)が、抗議の中、先月3期目の当選を果たした一方で、フランスの旧植民地コンゴ共和国では今月77歳になるドニ・サスヌゲソ(Denis Sassou Nguesso)大統領が計37年にわたって権力の座に就いている。

 ナイジェリアのムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領(77)は1983年にクーデターを率いて政権を掌握した後失脚、2015年の選挙で政権に戻った。

■80代が率いる中東

 中東には、世界で最も強い力を持つ80代の集団がいる。

 サウジアラビアのサルマン国王(84)は、石油で潤う同国の権限の大部分を息子であるムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)に委任している。

 イランの最高指導者アリ・ハメネイ(Ali Khamenei)師は81歳、レバノンのミシェル・アウン(Michel Aoun)大統領は85歳、パレスチナ自治政府を率いるマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長は85歳になろうとしている。(c)AFP