【11月4日 AFP】サッカーの中国スーパーリーグ(1部)で、大量のイエローカードが出され、わずか8試合で少なくとも12人が退場になる事態が生じ、国営メディアは「悲惨な」記録だと報じている。

 これから10日間で優勝と自動降格が決まるという状況の中、新型コロナウイルスの影響で再編を強いられたスーパーリーグの今シーズンは、カードが乱れ飛ぶ張り詰めたクライマックスを迎えている。

 特に荒れたのが青島黄海(Qingdao Huanghai)対武漢卓爾(Wuhan Zall)の2日の試合で、残留争いをしているチーム同士の直接対決となった一戦は、激しい肉弾戦で3人の退場者が出た末、PK戦で青島が勝利を収めた。

 試合中には、興奮した武漢のチームスタッフがピッチへ乱入し、韓国人の主審が試合を一時中断する要因になったと報じられている。しかし、武漢を率いるパン利(Pang Li)監督は、「われわれはひどく混乱している。現在の状況に陥ったのは、われわれのパフォーマンスが悪かったからではない」と話し、こういう騒動を避けるべく、レフェリングのレベルを上げる目的で選出されていた主審の試合裁きを問題視した。

 プレーオフの第2ラウンド第2戦にあたる8試合では、選手だけでなくコーチングスタッフも絡んだトラブルが多数発生しており、メディアによって集計に差はあるが、カードの大盤振る舞いは不名誉な記録だという趣旨は一致している。

 国営の新京報(Beijing News)は、イエロー60枚、レッド13枚が出たと報じ、これは「1ラウンドの枚数としてはリーグ史上最も多い」と伝えている。

 さらに同紙は、新型ウイルスの影響で失われた5か月を取り戻せるように日程を再編し、バブルと呼ばれる隔離環境での生活が続く中で、選手やスタッフの重圧が極限まで高まっているのではないかと報じている。各チームは現在、優勝と降格を含めた順位を決めるトーナメント形式のプレーオフ(ホームアンドアウェー方式)に臨んでいる。

「閉じた環境で試合を行うシステム(バブル)と、リーグ第2段階の残酷なノックアウト方式が、不確定要素が満載の試合を生み出している」「どのチームも肉体的、精神的に過負荷がかかった状態にある。悲惨な光景が生じるのは驚きではない」 (c)AFP