【11月4日 AFP】(更新)オーストリアの首都ウィーンで2日に発生し、4人が死亡した銃撃事件について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が3日、犯行声明を出した。

 ISはメッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」上のチャンネルで出した声明で、「カリフ制国家の兵士」が銃撃を実行したと主張。さらに傘下のプロパガンダ機関アマク(Amaq)は個別の声明を出し、銃撃犯の写真を掲載した上で、「きのう(2日)のウィーン市でイスラム国の戦士が行った銃撃」について伝えた。

 事件では、ISに同調するクイティム・フェイズライ(Kujtim Fejzulai)容疑者(20)が2日夜、ウィーンの繁華街でカラシニコフ(Kalashnikov)自動小銃を乱射し、4人を殺害した。

 治安当局は同容疑者を射殺後、18か所で強制捜査を実施し、14人を拘束。共犯者がいた可能性に基づいた捜索や、単独での犯行だったかどうかの確認を進めた。

 カール・ネハンマー(Karl Nehammer)内相はその後、事件を捉えた防犯カメラの映像を確認した結果として、「今のところ、2人目の襲撃犯がいたとする証拠はない」と発表した。

 捜査は直ちに数か国に拡大。スイスで数人が身柄を拘束されたほか、容疑者がオーストリアとの二重国籍を保持していた北マケドニアも捜査に協力している。

 フランスでは最近、イスラム過激派による襲撃事件が相次いで発生。先週にはニース(Nice)の教会が標的となった。

 フランスの風刺週刊紙が最近、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を再掲載したことをきっかけに、世界各地では緊張が高まり、イスラム圏の国々の一部では抗議デモが発生。複数のテロ組織が支持者らに対し、報復を呼び掛けていた。

 英国は3日、これまで5段階中で上から3番目だったテロ警戒レベルを1段階引き上げた。(c)AFP