■「ファーストレディー像」への思い込みを変えてくれる

 おそらく、ジル夫人は今、ホワイトハウスでの4年間に向けて気を引き締めているはずだ──大統領夫人執務室があるイーストウイング(東棟)の外で、教師の仕事やその他の活動を続けるために多忙なスケジュールに追われることになると。

「ジル夫人が教職を続ければ、彼女はファーストレディーという立場に対する期待と縛りを一変させることになる」と、歴代の米大統領夫人に関する書籍、「First Women: The Grace and Power of America's Modern First Ladies(ファーストウーマン 米現代版ファーストレディーの品格と権力)」の著者ケイト・アンダーセン・ブラウワー(Kate Andersen Brower)氏はAFPに語った。

「自らの仕事とファーストレディーに求められる極めて大きな役割を両立させるのは大変だろうが、ファーストレディーにはどんなことができるのか、私たちの思い込みも変えてくれると思う」

 一方、オハイオ大学のジェリソン氏は、従来のファーストレディー像を望む国民からはジル夫人への反発が予想されると指摘する。だが、変わるべき時が来たという点ではブラウワー氏と同意見だ。

「米国にはいつか必ず、大統領の配偶者が男性という時代が来る。そうなれば、誰もその男性には本業のキャリアを断念しろとは言わないと思う」とブラウワー氏は語った。(c)AFP/Susan STUMME