【11月3日 AFP】競馬、英国ダービー(2019 Epsom Derby)優勝馬のアンソニーヴァンダイク(Anthony Van Dyck)が、3日に行われたメルボルンカップ(Melbourne Cup 2020、芝3200メートル)の出走中に故障し、安楽死となった。2013年以降、同レース中のアクシデントで馬が死ぬのは7頭目。

 5歳馬のアンソニーヴァンダイクは最後の直線で走れなくなり、馬運車が呼ばれた。手綱を握ったヒュー・ボウマン(Hugh Bowman)騎手にけがはなかった。

 競馬統括団体レーシング・ビクトリア(Racing Victoria)のジェイミー・スティア(Jamie Stier)氏は、「悲しいことに、メルボルンカップの出走中に球節を骨折したアンソニーヴァンダイクが安楽死処分を余儀なくされた」「すぐに獣医師による治療を受けたが、故障の性質上助からなかった」と発表した。

 アンソニーヴァンダイクは近年オーストラリアに渡ってきた欧州馬の中では最も能力や実績を認められた一頭で、エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)調教師にとっては非常につらい死となった。

 また、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により初の無観客で開催され、すでに異例のレースとなっていたメルボルンカップにとっては後味の悪いものになった。

 2019年の英国ダービーを制したアンソニーヴァンダイクは、今年のコーフィールドカップ(Caulfield Cup 2020)で2着に入り、今回のメルボルンカップでは馬体重の懸念がありながらも出走前の予想で本命の一頭になっていた。

 メルボルンカップ中のアクシデントで馬が死ぬのは2013年以降7頭目で、最近では2年前に同じくオブライエン厩舎(きゅうしゃ)のザクリフスオブモハー(Cliffs of Moher)が命を落としていた。

 レースはジョイ・マクニール(Jye McNeil)騎手騎乗のトワイライトペイメント(Twilight Payment)が制している。(c)AFP