【11月3日 AFP】ブルガリアの首都ソフィアで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者を病院へ搬送する救急車が大幅に足りず、警察車両が支援に乗り出すと、コスタディン・アンゲロフ(Kostadin Angelov)保健相が2日に発表した。

 アンゲロフ保健相によると、人口200万人を超えるソフィア市で現在稼働している救急車は25台で、ここに警察車両10台を投入する。10台の内訳は、普段は警官専用の救急車6台と、運転手と救急医療隊員を配備したバン4台となっている。警察車両10台に加えて、新たな救急車17台も今週中に投入されるという。

 同市では、先月31日にCOVID-19で死亡した男性患者(33)の親族らが、症状が悪化して救急車を呼んでから数時間待たされたと訴え、ソーシャルメディア上で非難が巻き起こっていた。

 また同じ日に地元メディアは、病床不足で患者の受け入れを拒否せざるを得ず、救急車で運ばれた重症患者の受け入れ先が2時間見つからない例もあると訴える医師の話を報じた。救急当局は、救急車を呼ぶ電話が殺到し、病院の収容能力が逼迫(ひっぱく)していると説明する。

 流行第2波に襲われる中、ブルガリアでは医療従事者の感染が増え、病院が大きな打撃を受けている。そうした中、病院は医学生やボランティアの支援を募り始めた。一方、民間病院の中には新型コロナ患者の受け入れを拒むところが多く、世論の怒りを招いている。

 アンゲロフ保健相は各病院に対し、収容可能人数の最低10%を新型コロナ患者のために確保しなかった場合、助成金を打ち切る可能性もあると警告。各病院が10%以上を確保すれば、ソフィア市内の集中治療病床数は現在の700床から1200床に増えると説明した。(c)AFP