【11月3日 AFP】パキスタンのイムラン・カーン(Imran Khan)首相は1日、インド・パキスタン・中国の3国が領有権を争うカシミール(Kashmir)地方の都市ギルギット(Gilgit)を訪れ、ギルギットを含むカシミールの一部地域を暫定的にパキスタンの州にすると発表した。これに対しインドは強く反発した。

【図解】カシミール地方の実効支配線と各国の実効支配地域

 パキスタンは1947年の独立直後から、中国とアフガニスタンに接する山岳地帯にあり現在ギルギット・バルティスタン(Gilgit-Baltistan)と呼ばれているこの地域を統治してきた。この地域についてインドは、インド領と主張しているカシミール地方の不可分の一部だとしている。

 カーン首相は1日、ギルギットで、「われわれはギルギット・バルティスタンに対し、暫定的に州としての地位を与えることを決めた。これは長年にわたって地元で要望されていたことだ」と述べた。具体的なスケジュールは示さなかった。

 中国は近年、人口推定130万人のギルギット・バルティスタンで、カラコルム・ハイウエー(Karakoram Highway)の建設などインフラ整備事業「中国パキスタン経済回廊(CPEC)」を進めている。

 カーン首相は、現代的で維持管理が行き届いたカラコルム・ハイウエーはギルギット・バルティスタンを大きく発展させており、同地域を州にすることは「社会の中の、遅れた貧困地域を発展させる」上で力になると述べた。

 地域の法的地位の変更には憲法改正が必要。実現すればギルギット・バルティスタンはパキスタンで5番目の州になる。

 インド政府は、「インド領の一部に重大な変化をもたらす」ものだとしてカーン首相の発言を厳しく非難した。(c)AFP