【11月3日 CNS】中国の民間シンクタンク・胡潤研究院(Hurun Research Institute)は、恒例の「胡潤中国富豪ランキング」2020年版を発表した。20億元(約313億円)以上の個人資産を保有する人が対象で、今年ランクインした富豪は過去最高の2397人。全員の資産を合計すると27.5兆元(約431兆円)に達し、ドイツの年間国内総生産(GDP)を超えるという。全員の資産総額は今年1年間だけで約10兆元(約157兆円)増え、英国のGDPの半分に達した。

 富豪トップは、IT企業「阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)」創業者の馬雲(ジャック・マー、Jack Ma)氏の4000億元(約6兆 2620億円)。通算4度目のトップで、3年連続で中国一の富豪の座をキープした。2位はIT企業「騰訊(テンセント、Tencent)」創業者の馬化騰(Pony Ma)氏の3900億元(約6兆1055億円)。3位にはミネラルウオーター最大手「農夫山泉(Nongfu Spring)」創業者の鍾睒睒(Zhong Shanshan)氏が躍り出て、3650億元(5兆7141 億円)だった。

 資産1000億元(約1兆5655億円)以上の富豪は2019年の2倍となり、100億元(約1566億円)以上の資産家は毎週4人のペースで増えている。胡潤研究所代表の英国人コンサルタント、ルパート・フーゲワーフ(Rupert Hoogewerf)氏は「中国にはビリオネア(10億ドル<約1047億円>)以上の企業家が878人おり、10年前の5倍に増えた。米国でもビリオネアは600人強しかいない」と指摘。「新型コロナウイルスの流行が中国経済と企業家に与える影響は、予想ほど深刻ではない。新興ハイテク企業向け株式市場の創業板(中国版ナスダック)指数、深セン成分指数、ナスダック総合指数は昨年の同時期に比べて70%、45%、48%上昇している」と述べ、新型コロナの影響を受けている世界の富豪の中でも中国の企業家の回復スピードは最も早いという。(c)CNS/JCM/AFPBB News