【11月2日 AFP】カナダ警察は1日、ケベックシティーで前日夜に発生した刺殺事件について、中世風の服を着ていた容疑者の男に「テロ組織との関係はない」と発表した。男は日本刀を持っていたという。

 事件はハロウィーンの10月31日夜にケベック旧市街(Old Quebec)の複数の場所で発生。2人が殺され、5人が負傷した。旧市街では数時間にわたり犯人の追跡が行われ、1日未明に容疑者の男が逮捕された。

 地元メディアは、男はモントリオール郊外出身のカール・ジルアード(Carl Girouard)容疑者(24)だと特定し、精神疾患の病歴があると報じた。警察は男の身元をまだ明らかにしていない。

 警察は、男が5年前にこうした事件を起こすと話していたことから、計画的犯行だったとみている。男に犯罪歴はないという。

 男は1日午後、リモート形式で行われた短時間の予備審問に応じ、殺人罪と殺人未遂の罪で訴追される見通しだと伝えられた。

 地元メディアによると、モントリオール近郊のサントテレーズ(Sainte-Therese)にある男の自宅が捜索されたという。

 ケベックシティー警察のロバート・ピジョン(Robert Pigeon)署長は、男は日本刀で武装していたと明かし、「あらゆる点から、男は手当たり次第に犠牲者を選んでいたとみられる」と述べた。

 地元紙ル・ソレイユ(Le Soleil)は目撃者3人の話として、男はホテル「フェアモント・ル・シャトー・フロンテナック(Fairmont Le Chateau Frontenac)」付近で1人目の犠牲者の「喉を切り裂いた」とみられ、現場には「大量の血」が残っていたと報じた。

 ジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相はツイッター(Twitter)に、「昨晩ケベックシティーで起きた恐ろしい事件で亡くなった2人のことを思うと心が痛む」「負傷者の完治を祈っている」と投稿した。(c)AFP/Anne-Sophie THILL