【11月2日 AFP】ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相(40)は2日、副首相に同性愛者のグラント・ロバートソン(Grant Robertson)氏(49)を、外相に先住民マオリで顎に伝統の入れ墨「モコ・カウアエ(moko kauae)」を施したナナイア・マフタ(Nanaia Mahuta)氏を起用した「極めて多様性に富んだ」新内閣を発表した。

 先月の総選挙で圧勝した中道左派のアーダーン氏は内閣刷新に当たり、新型コロナウイルス対策と経済の立て直しが2期目の優先課題だと語った。

 同性愛者であることを公言した政治家が副首相に就任するのは、ニュージーランド初。また、女性の外相も同国初だ。20人の閣僚にはマフタ氏以外にも、女性やマオリの血を引く議員が多数登用されている。

 アーダーン氏は、新内閣の多様性を誇りに思うとしつつも、任命は「功績と才能」に基づいたもので、多様性が実現したのは「たまたま」だと強調。「私たちはこれを、国として誇るべきだと思う」と述べた。

 アーダーン陣営の選挙参謀を務めたロバートソン氏は、第1期アーダーン内閣で務めた財務相の職にもとどまるほか、新たにインフラ相も兼任する。

 同性愛者の男性がこうした役職を担うことの意義について問われたアーダーン氏は、ロバートソン氏の起用は指導力を評価してのもので、同氏の性的指向に基づくものではないと回答。「ニュージーランドの素晴らしい点の一つは、こうした質問があまり重要でない場が多いということだ」と述べた。

 新内閣は6日に発足する。(c)AFP/Neil SANDS