【11月1日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は10月31日、イスラム諸国との間で高まっている緊張を緩和するためカタールの衛星放送アルジャジーラ(Al-Jazeera)のインタビューに応じ、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画がショックを与えるものであることに理解を示す一方、風刺画が仏政府の仕業だという「うそ」を厳しく非難した。

 マクロン氏は先月、表現の自由に関する授業中にムハンマドの風刺画を見せた歴史教師サミュエル・パティ(Samuel Paty)さんが殺害された事件の後、神を冒涜(ぼうとく)するような風刺画を許す法律を放棄しない方針だと明言し、イスラム諸国の抗議運動を引き起こした。マクロン氏がアルジャジーラのロングインタビューに応じたのはイスラム諸国への働き掛けが目的とみられ、同氏は語気を強めないよう努めながら自身の見解を示した。

 マクロン氏は「これ(風刺画)がかき立てた感情は承知しており、尊重する。ただ、私が担っている役目を理解していただきたい。私の役目はここでしている通り事態を収めることだが、同時にこうした権利を守る役目もある」と語った。その上で、今後も仏国内で言論や表現の自由を守ると付け加えた。

 また、マクロン氏は、イスラム諸国のフランス製品ボイコットの呼びかけを「無価値」で「容認し難い」と批判した。ボイコットは特にトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が支持しており、小売業者の間では仏製品を撤去する動きも出ている。(c)AFP/Jérôme RIVET/Stuart WILLIAMS