【11月1日 AFP】米国では歴代大統領44人のうち、2期連続で務めた大統領はわずか15人しかいない。だが近年の大統領選では、特に現職大統領に好意的な展開となっている。

 第2次世界大戦(World War II)以降、再選を果たせなかった現職大統領は3人のみだった。ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の前のビル・クリントン(Bill Clinton)、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)、バラク・オバマ(Barack Obama)の3氏は、いずれも2期目の大統領選で勝利している。

 だが、トランプ氏の前任者3人が再選したからといって、歴史が繰り返される保証はない。大統領の再選に向け挙党態勢が取れない場合は、大きな試練が待ち受ける。

 1976年の共和党のジェラルド・フォード(Gerald Ford)氏の2期目の大統領選では、そうした態勢が取れないと致命的であることが証明された。同氏は、保守派のロナルド・レーガン(Ronald Reagan)氏の挑戦を受け、どうにか共和党の指名を獲得したものの、本戦では民主党のジミー・カーター(Jimmy Carter)氏に敗北した。

 そのカーター氏は、1980年の2期目の大統領選で、エドワード・ケネディ(Edward Kennedy)民主党上院議員を相手に苦戦を強いられて消耗し、共和党のレーガン氏に惨敗した。

 ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)大統領の暗殺後に後継者となったリンドン・ジョンソン(Lyndon B. Johnson)氏は、ベトナム戦争(Vietnam War)に対する国民の不支持を受け、1968年、再出馬しない考えを表明した。

 1992年にはジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)氏が、失業率上昇などの経済指標悪化を受けて2期目の大統領選で民主党のビル・クリントン(Bill Clinton)氏に敗れた。ブッシュ氏は、ポピュリストの独立系候補だった実業家のロス・ペロー(Ross Perot)氏に票を奪われ、後にペロー氏の選挙運動が自身の敗北につながったと語っている。(c)AFP