【10月31日 AFP】総合格闘技「UFC(Ultimate Fighting Championship)」の元世界ライト級王者ハビブ・ヌルマゴメドフ(Khabib Nurmagomedov、ロシア)氏は30日、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領を「畜生」呼ばわりし、天罰が下されることを祈るメッセージを自身のインスタグラム(Instagram)に投稿した。

 先日現役を引退したばかりのヌルマゴメドフ氏は、2500万のフォロワーを誇る自身のインスタグラムで、表現の自由を根拠にイスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を擁護した同大統領について「表現の自由というスローガンの下、15億人以上のイスラム教徒の感情を傷つけたこの畜生とその支持者全員の顔に、神の制裁が下らんことを」「彼らの現世と来世に天罰が下らんことを」と強い言葉で非難。

 マクロン大統領の顔に黒い靴跡が付いた画像が添えられた投稿には、これまでに300万を超える「いいね」が集まっている。

 ヌルマゴメドフ氏はイスラム教徒が大多数を占めるロシア南部ダゲスタン(Dagestan)共和国出身で、世界で最も知られたイスラム教徒のアスリートの一人だ。

 ロシア・モスクワにあるフランス大使館の外にはこの日、マクロン大統領のポスターや風刺画を手にした数十人のデモ隊が集結し、同大統領の写真を燃やす様子が見られた。

 今月、仏パリ郊外の学校で表現の自由に関する授業をした教師が預言者ムハンマドの風刺画を生徒に見せた後、過激派に斬首された事件を受け、マクロン大統領は表現の自由を擁護すると同時にイスラム教徒による暴力を非難したが、風刺画に対するスタンスとイスラム教に関するコメントは、イスラム世界で大きな反発を招いている。(c)AFP