【10月31日 AFP】タンザニアで28日に行われた大統領選で、選挙委員会は30日、現職のジョン・マグフリ(John Magufuli)大統領が得票率84%で圧倒的な勝利を収めたと発表した。しかし、野党の対立候補は、記入済みの投票用紙が詰まった投票箱が見つかるなど不正行為が横行したと非難している。

 マグフリ氏の最大の対立候補で野党・民主開発党(Chadema)のトゥンドゥ・リス(Tundu Lissu)氏(52)の得票率は13%にとどまった。リス氏は、広範な不正や脅迫、野党に対する抑圧が行われていると非難していた。

 有権者数は2900万人以上で、投票率は50.7%。26万票以上が無効だった。

 大統領選と同時に行われた議会選の最終結果はまだ発表されていないが、マグフリ氏率いる与党・タンザニア革命党(CCM)は、全264議席中、確定した約200議席のうち2議席を除いてすべての議席を獲得している。

 前回2015年の大統領選でマグフリ氏の得票率は58%だった。

 1961年の独立以来政権を握っているCCMは、マグフリ氏の下で独裁政治に転落したと非難されているが、今回の選挙で圧勝したことで、その影響力をさらに強固にするとみられる。

 リス氏は2017年に暗殺未遂で16発の銃弾を浴び、海外で治療を受けて今年7月に帰国していた。同氏は29日、発表される今回の選挙結果は「違法」だと宣言した。

 リス氏は支持者らに平和的に抗議活動を行うよう呼び掛ける一方、国際社会には選挙結果を認めないよう求めた。

 タンザニアでは大統領選の結果に異議を唱えることはできないが、議会選の結果への異議申し立ては可能。(c)AFP/ Fran BLANDY