【10月31日 AFP】(更新、写真追加)トルコ・ギリシャ沖のエーゲ海(Aegean Sea)で30日午後に発生した地震で、両国では複数の建物が崩壊し、少なくとも26人が死亡した。救助隊は日付が変わった31日も、重いコンクリートの塊を素手でかき分けながら、必死に生存者の捜索に当たった。

 この地震で、エーゲ海に浮かぶサモス(Samos)島では小規模な津波が発生、またトルコ西岸の町は濁流に襲われた。

 米地質調査所(USGS)によると、震源はサモス島の町カルロバシ(Karlovasi)の沖合14キロで、地震の規模はマグニチュード(M)7.0だった。

 トルコ・イスタンブールとギリシャ・アテネの両市でも揺れが感じられ、長年敵対する両国には外交的機会も生まれた。ギリシャのキリアコス・ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相はトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と異例の電話会談をし、エルドアン氏に哀悼の意を伝えるとともに支援を表明した。

 トルコでは、人口300万人を抱えるエーゲ海沿岸のリゾート都市イズミル(Izmir)とその周辺で特に大きな被害が出ている。高層の住居ビルが立ち並んでいた同市を上空から撮影した映像からは、街区全体ががれきと化した様子がみられた。

 イズミルのトゥンチュ・ソイヤル(Tunc Soyer)市長はCNNトルコ(CNN Turk)に対し、建物20棟が倒壊し、当局はうち17棟での救助活動を集中的に行っていると述べた。

 トルコの災害救助当局は、24人が死亡し800人近くが負傷したと報告。一方でギリシャ・サモス島では、学校から帰宅途中だった10代の2人が壁の倒壊によって死亡した。

 現場の被害状況から、死傷者は増える恐れがあるとみられる。 (c)AFP/Raziye AKKOC with Hélène COLLIOPOULOU in Athens