【10月31日 AFP】米大リーグ(MLB)を騒がせたサイン盗み問題でヒューストン・アストロズ(Houston Astros)の指揮官を解任されたA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)氏が30日、デトロイト・タイガース(Detroit Tigers)の新監督に指名された。

 アストロズのサイン盗みスキャンダルで2020年シーズンは活動停止処分となっていたヒンチ氏は、健康問題を理由に先月突然引退したロン・ガーデンハイアー(Ron Gardenhire)前監督の後を引き継ぐことになった。

 タイガースはヒンチ氏と複数年契約を結んだ一方で詳細については明らかにしなかった。クリストファー・イリッチ(Christopher Ilitch)最高経営責任者(CEO)は発表文で、「ファンはこのチームに大いに期待している。そしてタイガースの全員が、本日の発表が再びフィールド上でふさわしい成功を収めるための大きな一歩になると確信している」と述べた。

 タイガースはレギュラーシーズンでここ4季連続で負け越しており、プレーオフ進出も2014年シーズンが最後となっている。ヒンチ氏は自分が引っ張って最近のチーム状況を好転させたいと述べ、「勝つ野球を始めるときがきた。この球団がそれを実現する力があることを確信している」と語った。

 46歳のヒンチ氏は、アストロズの2017年のワールドシリーズ優勝を汚したサイン盗みスキャンダルで実際に処分されたわずか2人のうちの一人となっていた。

 MLBの調査では、ヒンチ氏は選手が相手投手のサインを盗むシステムに直接関わってはいなかったものの、不正行為を阻止していなかったことが判明。当時のジェフ・ルーノウ(Jeff Luhnow)ゼネラルマネジャー(GM)と共に1年間の活動停止処分を受けて、球団を解雇されていた。(c)AFP