【10月31日 AFP】バングラデシュとパキスタンで30日、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領のイスラム教をめぐる発言に抗議するデモが行われ、イスラム教徒数万人が街頭に繰り出し、マクロン氏を模した人形を焼くなどして抗議の声を上げた。

 マクロン氏は、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺画を発行する権利を擁護したことで、イスラム世界から反感を買った。抗議デモは東南アジアや、規模は比較的小さいものの中東諸国でも行われた。

 フランスでは今月初め、生徒にムハンマドの風刺画を見せた教師が斬首され死亡する事件が発生。教師は表現の自由についての授業で、風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)が繰り返し掲載していた風刺画を使用していた。

 29日にはさらに、仏南部ニース(Nice)の教会で3人が惨殺される事件が発生。容疑者はイスラム過激思想を持ったチュニジア人の男(21)で、フランス国内では緊張がいっそう高まった。

 バングラデシュの首都ダッカでは30日の金曜礼拝後、大勢の人々が街頭デモを行い、マクロン氏に対する抗議の声を上げた。ダッカでは5日前にも反仏デモが行われていた。

 パキスタンの最大都市カラチ(Karachi)では、金曜礼拝後に約1万人が街頭を行進。行進はムハンマドの誕生日を記念して組織されたものだったが、参加者らはフランスに対する怒りの声を上げた。

 パキスタンの首都イスラマバードで行われた抗議デモでは一部が暴徒化し、警察に投石。警察側は催涙ガスを使用した。(c)AFP/Sam Jahan and Shafiqul Alam