【10月30日 AFP】ボクシングの元世界王者で共に年齢が50代に突入したマイク・タイソン(Mike Tyson、米国)氏とロイ・ジョーンズJr(Roy Jones Jr、米国)氏は29日、来月行われる8ラウンドのエキシビションマッチで、互いに激しいバトルを繰り広げる覚悟を示している。

 元世界ヘビー級王者で54歳のタイソン氏は、来月28日に米カリフォルニア州ロサンゼルスのステープルズ・センター(Staples Center)で臨む自身15年ぶりのファイトで、元4階級制覇の王者で51歳のジョーンズ氏と対戦する。

 このイベントはカリフォルニア州アスレチック・コミッション(CSAC)公認で、一部では「サーカス的な見せ物」になるという見方は除外されているものの、タイソン氏とジョーンズJr氏は、このペイ・パー・ビュー(PPV)のファイトが正真正銘の試合ではないという批判の声にいら立ちを募らせた。

 タイソン氏はオンラインでの記者会見で、「本当のファイトじゃないだって? これはマイク・タイソン対ロイ・ジョーンズ戦だ。俺は戦うために来ているし、相手もそのつもりであることを望んでいる。それが全てだ」と言い放った。

 一方、2018年にクルーザー級のスコット・シグモン(Scott Sigmon)に3-0の判定勝ちを収めたのが現役最後の試合となっているジョーンズJr氏も、エキシビションとしてこの一戦に臨むことを否定し、自身とタイソン氏は互いに「バケモノ」のような存在であると主張した。

「マイク・タイソンと最後にエキシビションを戦ったやつは、最初のラウンドでたたきのめされた」「そのことを知らないなら勘違いするぜ。偉大なレジェンドであるマイク・タイソンとのリングに向かうのに、『これはエキシビションか?』なんて誰が考える? 12オンスのグローブにヘッドギアなしだというのに、本気でそう思うのか? これがエキシビションだって? おい、目を覚ませよ」

「俺は32歳で試合に出たときに年寄り扱いされた。しかし、俺たちはバケモノなんだ。だから、これは本当のビッグマッチなんだ」

 両ファイターはまた、1ラウンドの時間が2分と決められたことにも不満を示し、3分の方が望ましいと口をそろえている。タイソン氏は、「そうするのには理由があったに違いない」「しかし、2分というのは女子の試合だ。俺よりコミッションに権限があるのだろう。とにかく、俺はそれで戦っても構わない」と語った。

 これに対してジョーンズJr氏はもっと批判的な態度を示し、「俺は全然納得していない」「あれは女子のルールだ。なぜ俺たちが2分のラウンドなんだ? 史上最強の二人だぞ。2分では俺と彼にとっては全く物足りない」とコメントした。(c)AFP/Rob Woollard