【10月30日 AFP】米大統領選を争う共和党の現職ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領(74)と民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)候補(77)は29日、激戦州のフロリダでともに選挙集会を開いた。トランプ氏は、同日に発表された7〜9月期の国内総生産(GDP)成長率が過去最高を記録したことについて、新型コロナウイルスで打撃を受けた米経済の復活の兆しだとアピールした

 投票日をわずか5日後に控えたこの日、トランプ・バイデン両陣営は選挙人29人を擁する大票田のフロリダ州で票固めを図った。

 同州では2016年の大統領選で、トランプ氏が対立候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏を破った。しかしNBCニュース(NBC News)と世論調査機関「マリスト・ポール(Marist Poll)」が同日発表した調査結果では、同州の支持率はバイデン氏が51%でトランプ氏の47%を上回った。ただし、この差は同調査の誤差(プラスマイナス4.4ポイント)の範囲内だ。

 トランプ氏は、米商務省が同日発表した2020年7〜9月期のGDP成長率について、自身が約束した通り、米経済が新型ウイルスによる打撃から回復し始めていることの証拠だと豪語。ツイッター(Twitter)に「GDPの数字が発表された。米国の歴史の中で、突出して最大かつ最高だ」と投稿した。

 商務省の発表によると、GDPは過去最大の落ち込みを記録した前期から劇的に回復し、年率換算で33.1%増となった。ただエコノミストらは、第3四半期での急回復の要因として、31.4%減を記録した前期からの反動や、政府による3兆ドル(約310兆円)の巨額経済対策があり、経済対策の多くは既に失効したことを指摘し、警鐘を鳴らしている。

 トランプ氏はフロリダ州タンパ(Tampa)での集会を終えた後、同じく激戦州のノースカロライナで集会を開く予定。(c)AFP/Leila Macor with Chris Lefkow in Washington