【10月30日 AFP】国際移住機関(IOM)は29日、セネガル沖で先週、移民約200人を乗せた船が沈没し、少なくとも140人が死亡したと明らかにした。今年起きた中で最悪の海難事故となった。

 セネガル当局は当初、死者は少なくとも10人で、60人が救出されたとしていた。首都ダカールのIOM報道官はAFPに対し、地元住民らが船に約200人が乗っていたと証言していることから、死者数は少なくとも140人に上ると説明した。

 先週には地中海中央部で4件、イギリス海峡(English Channel)で1件の移民船沈没事故が起きていた。

 IOMは今回の事故を受け「深い悲しみ」を表明。IOM駐セネガル事務所トップは声明で、「各政府、提携団体、そして国際社会が一丸となって、必死な若者たちに付け入る人身売買・密航ネットワークを解体するよう要請する」と訴えた。

 セネガル政府は26日、スペインのカナリア諸島(Canary Islands)からの欧州入りを目指し大西洋東部の危険な航路を通る移民が「再び増加」しているとして警鐘を鳴らしていた。

 西アフリカから欧州へ向かう移民らの多くは、陸路でニジェールやリビアのサハラ(Sahara)砂漠を通り地中海沿岸を目指してきたが、このルートに対する当局の取り締まりが強化されたことから、大西洋ルートの利用が増加している。(c)AFP