【10月30日 AFP】米国は、アラブ首長国連邦(UAE)に最新鋭ステルス戦闘機F35を売却することに同意した。米議員が29日、明らかにした。売却はUAEがイスラエルとの国交を正常化したことを受けた措置で、中東の勢力図を変える可能性がある。

 米下院外交委員会(House Committee on Foreign Affairs)のエリオット・エンゲル(Eliot Engel)委員長(民主党)によると、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権は、F35売却に必要な議会への通知を非公式に行った。エンゲル氏は、売却が「湾岸地域の軍事バランスを大きく変化させ、イスラエルの軍事的優位性に影響を与える」可能性があると指摘した。

 イエメンやリビアへの介入を通じ中東地域での存在感を高めているUAEは、先月に実現したイスラエルとの国交正常化に先立つ米国との協議で、F35購入を希望する意向を伝えていた。

 イスラエルとの国交正常化の動きには、バーレーンとスーダンも追従。正常化はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相にとって外交上の勝利となったが、同国は長年にわたり、米国からアラブ諸国への最新鋭戦闘機の売却に反対してきた。

 だが、ベニー・ガンツ(Benny Gantz)国防相が米国防総省を訪問した際、イスラエルが軍事上の優位性を保てるとの確約を得たことから、ネタニヤフ首相は先週、売却に反対しない意向を表明していた。(c)AFP