【11月1日 AFP】中国・北京に住むパートナーのいないエイミーさん(27、仮名)は、新型コロナウイルス感染症の大流行により、出会いの機会を奪われた。ある時オンラインのチャットルームで、いっそうの禁欲を強いられる間の解決策として他の女性らに薦められたものがあった──それは「大人のおもちゃ」だった。

「以前は使うのが怖いし、恥ずかしかった」が、今では「新たな世界を発見した」と話すエイミーさんは、これからさらに自身のコレクションを増やすつもりだ。

 中国はすでに世界一の成人玩具輸出国だが、現在その国内需要も増加傾向にある。

 理由の一つは新型ウイルスだが、セックスに対する態度が、より若くよりオープンな年齢層で広く変化していることも影響している。

 30代以下の女性らは、寝室で自分が望むことについて以前よりもはっきり自己主張できるようになるのと同時に、成人玩具を使うことにも抵抗が少なくなっている。

 中国国内における成人玩具の販売は、欧米諸国はもちろん、日本よりもはるかに少ない。

 しかし中国のデータ調査会社「艾媒諮詢(iiMedia Research)」によると、女性とミレニアル世代の消費者が主なけん引力となり、中国に新興する成人玩具の市場規模は1000億元(約1兆5600億円)を超えているという。

 一方、外国の需要は天井知らずだ。中国の電子商取引大手「速売通(アリエクスプレス、AliExpress)」によると、2020年上半期の輸出量は前年同期比で5割増だったという。

 深セン(Shenzhen)の成人玩具メーカーはAFPに対し、「人間そっくりのラブドールを月に1000体以上輸出」しており、製造設備はフル稼働だと明かした。

 1体当たり2000元(約3万円)以上で販売されるというラブドールの主な輸出先は、米国やドイツ、日本だという。(c)AFP/Laurie CHEN