【10月29日 AFP】台風18号(アジア名:モラヴェ、Molave)に見舞われたベトナム中部では29日、土砂崩れなどでこれまでに21人の死亡が確認された。被害はここ数年で最悪規模となっており、死者はさらに増える恐れがある。

 台風18号は28日、ベトナム中部の村々を直撃した。倒木や家屋の屋根が吹き飛ばされるなどの被害が出たほか、すでに数週間にわたり洪水の深刻な被害を受けていた地域が再び豪雨に見舞われた。

 クアンナム(Quang Nam)省では、被害の大きかった村3か所で土砂崩れが発生。国営メディアによると、これまでに19人の遺体が収容された。当局によると、45人がいまだ土砂の下敷きになっているとみられるという。

 また、2人が台風から自宅を守ろうとして死亡した。

 漁船2隻が台風上陸前に消息を絶ち、漁業関係者26人の行方がいまだ分かっていない。ヘリコプターや海軍の艦船が捜索に当たっている。

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)によると、台風18号上陸前の数週間に深刻な洪水と土砂崩れが発生し、130人が死亡、家屋31万戸以上が損傷または全壊した。

 IFRCは、120万人近くが「深刻な危険」に見舞われており、支援を必要としていると訴えている。(c)AFP