【10月29日 AFP】台湾空軍は29日、飛行訓練中のF5E戦闘機が東岸沖に墜落し、操縦していた兵士(29)が死亡したと発表した。台湾軍の兵士が墜落事故で死亡するのは、この3か月間で2回目。

 墜落したF5Eは1960年代に設計された旧式戦闘機。兵士は離陸直後にエンジンの不具合を報告して脱出したが、海から意識不明の状態で救出され、後に死亡が確認された。

 台湾空軍の参謀長は、安全確認のためF5戦闘機全機を着陸させたと記者団に語った。

 台湾空軍は、老朽化と設備不足に直面する中で、前例のない頻度で台湾の防空識別圏(ADIZ)内に進入する中国軍戦闘機への緊急対応を強いられている。台湾当局によると中国機に対応する台湾軍戦闘機の緊急発進回数は、昨年の2倍を超えるペースとなっている。

 専門家は、中国機の進入回数が増えているのは台湾の防衛力を試す手段であると同時に、戦闘機を消耗させることにもなっていると指摘している。

 7月には、中国が海から襲撃してきた想定で行われた台湾軍の軍事演習で、ヘリコプター1機が墜落して乗員2人が死亡していた。(c)AFP