【10月29日 AFP】 香港当局は29日、6月に解散した香港独立を支持する団体「学生動源(Student Localism)」の鍾翰林(Tony Chung)元代表(19)を、香港国家安全維持法(国安法)に基づく「国家分裂罪」で起訴した。国安法違反で起訴された政治活動家は鍾氏が初めて。

 鍾氏は27日朝、在香港米総領事館に面した喫茶店で私服警官に逮捕され、国家分裂、資金洗浄、扇動的な情報の発信を共謀した罪で起訴された。

「フレンズ・オブ・ホンコン(Friends of Hong Kong)」を名乗る組織は鍾氏の逮捕後、同氏がその日、米領事館に入って亡命を申請する手はずになっていたと発表している。

「学生動源」は国安法の施行直前に香港での活動ネットワークを解散したが、国際的な支部は現在も活動を継続している。

 鍾氏は「学生動源」のメンバー3人と共に7月、ソーシャルメディア上で香港の独立や自治権拡大を提唱する政治的見解を拡散したなどとして、香港警察に新設された国家安全課の逮捕者第1号となっていた。

 同氏は再逮捕後、29日午前に出廷するまで警察で拘束されていた。保釈は認められていない。(c)AFP