【11月1日 CNS】人気オンラインゲームのプライベートサーバーを勝手に作り、ユーザーの課金で利益を得ていたとして、中国・安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)公安局は、主犯格の黎(Li)容疑者ら11人を摘発した。ソースコード(ソフトウエアの設計図)の売買からプライベートサーバーの設立、ウェブサイトの宣伝まで、知的財産権を侵害する「地下産業チェーン」の実態を突き止めた。

 調べによると、江西省(Jiangxi)出身の黎容疑者は、中国の大手ゲーム企業「完美世界(Perfect World)」の人気オンラインゲーム「神雕俠侶」のソースコードをオンラインで入手し、サーバーをレンタルしてプライベートサーバーゲーム「小荔枝神雕俠侶」を無許可で立ち上げた。そして複数のオンラインゲームコミュニティーやSNSなどに広告を掲載して、サーバーを運営する管理人を募集。プライベートサーバーに多くのユーザーを集め、課金を黎容疑者と複数の管理人らで山分けした。

 黎容疑者がプライベートサーバーゲームを設立した費用はわずか900元(約1万3951円)。6か月の運用期間中、ユーザーたちがチャージした金額は500万元(約7751万円)に上った。管理人らの取り分を除き、黎容疑者の利益は190万元(約2945万円)を超え、1日1万元(約16万円)のペースで荒稼ぎをしていた。

 安徽大学(Anhui University)法学院の楊文彬(Yang Wenbin)准教授は「オンライン上の著作権侵害に対する国内法や規制は整備が進んでいるが、一攫千金を狙う犯罪グループも存在する。企業や個人は知的財産権の保護に努め、インターネットセキュリティ技術を向上する必要がある」と指摘。企業、行政、警察が連携して違法行為の取り締まりを強化するよう呼びかけている。 (c)CNS-法治日報/JCM/AFPBB News