【10月29日 AFP】米当局は28日、米国内で中国共産党に反対する人々を標的とした「キツネ狩り」と呼ばれる作戦行動に関与した疑いで、中国工作員5人を逮捕したと明らかにした。

 ジョン・デマーズ(John Demers)司法次官補(国家安全保障担当)は記者会見で「キツネ狩り」について、「中国が2014年から習近平(Xi Jinping)国家主席の指示の下、世界中で行っている」「中国警察当局の違法活動」だと説明。この活動に従事したとして中国人8人を訴追したと発表した。

 訴追された8人のうち、5人は米市民権や永住権を保有する24~64歳で、ニューヨーク、ニュージャージー、カリフォルニアの各州で逮捕された。うち1人は私立探偵免許も持っていた。残る3人は中国にいると司法省はみている。

 デマーズ氏によると、中国は「キツネ狩りを国際的な反汚職運動と称し、中国から逃亡して世界各地に合法的に滞在している人々の居場所を特定し、中国に連れ戻して刑事告発している」という。

「だが、多くの場合、標的となっているのは中国共産党を率いる習氏に反対する人々だ。政敵や反体制派、習氏を批判した人々だ」とデマーズ氏は指摘。「いずれにせよ、この作戦行動は明らかに法の支配と国際規範に反している」と述べた。(c)AFP/Chris Lefkow