【11月1日 東方新報】中国国家統計局によると、今年第1~3四半期(1~9月)の国内総生産(GDP)は72兆2786億元(約1120兆4620億円)に達し、前年同期比0.7%増加とプラスに転じた。新型コロナウイルス拡大の影響が直撃した第1四半期は6.8%減だったが、第2四半期は3.2%増、第3四半期は4.9%増と持ち直した。新型コロナの徹底的抑え込みで累積感染者数は今や日本より少なく、15兆円を超える経済支援でV字回復を果たしている。

 第1~3四半期の統計によると、固定資産投資の成長率、1人当たり可処分所得の成長率、貨物の輸出入成長率などが軒並みプラスに転じた。また、一定規模以上の産業の付加価値額は4月から6か月連続でプラス成長を維持し、サービス産業生産指数、一般商品の小売り総売上高はいずれも毎月プラス成長を続けている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は「世界のほとんどの地域が依然としてコロナ禍に苦しんでいる中、中国は新型コロナを効果的に抑制し、経済を急速に回復できることを証明した」と報道した。ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)も「第3四半期の成長率はコロナ以前の水準に回復しつつあり、中国経済は安定してきている」と分析した。

 中国は新型コロナ対策のため特別国債1兆元(16兆円)を発行。最も力を入れたのが「雇用の維持」だ。失業保険や社会保障費の企業負担分の減免、中小企業が大学新卒者を雇用する際の補助金支給など、企業に対し税金の減免、補助金、融資保証などを手厚くした。中卒・高卒の若者向けには職業訓練の機会を提供し、特に農村部や貧困家庭の出身者には直接、生活費も支援した。中央政府から地方政府に交付金も増額した。

 第1~3四半期に都市部で898万人の雇用を創出し、年間目標の99.8%を達成。失業率は5.4%にとどまり、減少傾向となっている。価格の上昇は緩やかで、第1~3四半期の1人当たりの可処分所得は0.6%増加している。

 中国は新型コロナの徹底した封じ込めにより、3月以降の感染者はほとんど横ばいの状態。累積感染者数は長く8万人台にとどまり、10月に入り、今も感染者が増え続ける日本を下回った。市民の生活と安全を確保した後、企業活動の再開を促進する戦略が成功している。

 一方で、世界中のコロナ禍は依然として厳しく、国際環境は不安定な状態が続く。中国経済は国際貿易から内需にシフトを図っているが、内需拡大はまだ発展途上で、地域、産業、企業の回復にばらつきもある。持続的かつ安定した経済回復を維持するため、経済基盤のさらなる強化が必要だ。(c)東方新報/AFPBB News