【10月29日 AFP】ポーランドで28日、憲法裁判所が人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する判断を下したことに対する大規模な抗議デモが7日連続で行われ、大勢の女性が職場を放棄し、街頭に繰り出した。

 新型コロナウイルス対策で集会に厳しい制限が課されているにもかかわらず、大規模デモはリベラル派の多い都市部でも、かねて保守派が多い小さな町でも行われた。

 抗議デモは教会でも行われ、外壁にはデモのスローガン「#Women'sHell(女性の地獄)」などがスプレーで書かれた。カトリック信者の多いポーランドで、教会内でデモが行われるのは異例。

 現地メディアの報道によると、28日のデモには、若い男女を中心に数万人が参加。グダニスク(Gdansk)やウッジ(Lodz)、ポズナニ(Poznan)、ワルシャワ、ブロツワフ(Wroclaw)など、各都市の街頭を埋め尽くした。

 ウッジでは、若い女性たちが「何を持ってこようと、怒った女性を止めることはできない」と書かれた横断幕を掲げ、「いい加減にして」とシュプレヒコールを上げたほか、「娘に手を出すな」と書かれたプラカードを手にした年配男性もいた。

 別の場所では、デモ隊が「女の子はただ基本的権利が欲しいだけ」と書かれたプラカードを掲げ、憲法裁の判断を支持する保守与党「法と正義(PiS)」をののしる内容のシュプレヒコールを上げた。(c)AFP/Mary SIBIERSKI