【10月28日 AFP】米共和・民主両党の上院議員は27日、中国がウイグル人をはじめとするチュルク語系少数民族に対するジェノサイド(大量虐殺)を行っていると宣言する決議案を提出した。

 上院では来週の大統領選後まで審議が行われないため、すぐに採決されることはないが、これらの少数民族100万人以上が強制収容されているとされる問題で中国への圧力が強まる可能性がある。

 決議案は、中国が「新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)でウイグル人、カザフ人、キルギス人、その他のイスラム教徒の少数民族に行っている」活動は、「ジェノサイド」に当たるとしている。

 ジョン・コーニン(John Cornyn)上院議員(共和党)は、「決議案は中国の行為を犯罪と認め、中国にその極悪非道な行為の責任を取らせる第一歩だ」と述べた。

 ジェフ・マークリー(Jeff Merkley)上院議員(民主党)は、決議は米国が「黙っていられない」ことを示すだろうと語り、「監視の強化、強制収容、拷問、強制的な『再教育キャンプ』といった、ウイグル人やその他のイスラム教徒の少数民族に対する中国の攻撃はジェノサイドだ。単純明快だ」と話した。

 決議案の発起人には、外交政策でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に近いマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員(共和党)や、上院外交委員会(Senate Foreign Relations Committee)の民主党のトップ、ロバート・メネンデス(Robert Menendez)上院議員も名を連ねている。

 マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は27日、訪問先のインドでニュースサイト、ザ・プリント(The Print)のインタビューに応じ、「(中国の行動は)1930年代にドイツで起きたことを想起させる」と述べた。

 米大統領選の世論調査でトランプ氏より優勢になっている民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の陣営も、中国の行動をジェノサイドと呼び、対応を強化する方針を示してきた。(c) AFP/Shaun TANDON