【10月28日 AFP】アゼルバイジャンとアルメニアが係争地のナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)をめぐり続ける紛争で、アゼルバイジャンは27日、アルメニアのミサイル攻撃により民間人4人が死亡したと非難した。米国は両国に対し、数週間にわたり続く紛争の終結を目指した停戦合意の順守を訴えた。

 アゼルバイジャンのヒクマト・ハジエフ(Hikmet Hajiyev)大統領補佐官は、前線に近いバルダ(Barda)付近の村に対してアルメニア軍がミサイルを発射し、2歳の女児を含む民間人4人が死亡、13人が負傷したと発表。アルメニアがクラスター爆弾を使用し、「民間人に対して無差別で標的型の攻撃」を行ったと批判した。

 アルメニア国防省報道官はアゼルバイジャン側の主張を否定。「全くのうそであり、卑劣な挑発」だと反発した。

 ナゴルノカラバフの人権オンブズマン(行政監察官)を務めるアルタク・ベグラリアン(Artak Beglaryan)氏は、アゼルバイジャン軍が27日、マルトゥニ(Martuni)付近の村に対して「意図的に民間人を狙った」攻撃を行ったと非難。クラスター爆弾を搭載したロケット弾により、女性3人が負傷したと説明した。

 米国務省によると、マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官はアルメニアのニコル・パシニャン(Nikol Pashinyan)首相とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ(Ilham Aliyev)大統領と個別に電話会談し、米国の仲介で25日に交わした停戦合意を順守するよう求めた。(c)AFP