【10月27日 AFP】南米エクアドル沖のガラパゴス諸島(Galapagos Islands)に固有の鳥類2種、ガラパゴスペンギンと飛べないウの個体数が記録的な増加を示しているという調査結果がこのほど発表された。

 ガラパゴスペンギンは世界最小のペンギンの一種で、体長は最大で35センチほど。ガラパゴスコバネウはウ科の仲間で唯一飛行能力を失った種だが、潜水技術を発達させている。

 個体数調査を実施したガラパゴス国立公園(Galapagos National Park)は、「1977年までさかのぼるこれまでのデータでは、ガラパゴスコバネウの個体数は記録的な数に達しており、またガラパゴスペンギンの個体数も2006年以降で最大となっている」と23日に発表した。

 赤道直下に生息する唯一のペンギン種であるガラパゴスペンギンの個体数は、2019年の1451羽から2020年には1940羽にまで増加しており、一方のガラパゴスコバネウも、同期間に1914羽から2220羽に増加している。

 調査は、ガラパゴス国立公園と国際NGOのチャールズ・ダーウィン財団(CDF)が9月に共同で実施した。

 今回の個体数調査の結果について、エクアドルのパウロ・プロアノ(Paulo Proano)環境・水資源相は、ガラパゴス諸島に生息する鳥類の個体群が健全な状態にあることを反映しているとした。

 またガラパゴス国立公園は、太平洋赤道域の海面水温が平年より低い状態となるラニーニャ(La Nina)現象の発生が、ガラパゴス諸島の鳥類により多くの餌を供給する助けとなり、個体数の増加に寄与していると説明。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)で観光産業が低迷し、営巣域が人為的影響を受けにくくなっていることも要因の一つとしている。(c)AFP