【10月27日 AFP】イタリアの複数の都市で26日、政府が新たに発表した新型コロナウイルス感染防止規制に反発する数千人が抗議デモを行い、警察と衝突した。

 激しい抗議デモが行われた先週末に続き、26日夜に再び数百人から数千人規模の抗議活動が行われた。

 ミラノ(Milan)では、複数の路面電車の車両が壊されたり、ごみ箱が放火されたりする破壊行為が発生。機動隊がガラス瓶などを投げた若者の集団に向かって催涙ガスを使用した。ミラノに近いトリノ(Turin)や南部ナポリ(Naples)でも同様の事態となった。

 ジュセッペ・コンテ(Giuseppe Conte)首相は、レストランやバーに午後6時以降の営業禁止を命じたほか、劇場、映画館、スポーツジムには1か月の閉鎖を命じた。これに企業経営者や野党政治家、一部の科学者も反発した。

 イタリアは、3月から4月にかけて発生した新型コロナウイルス流行の第1波に伴い、最も厳しいロックダウン(都市封鎖)を導入した国の一つ。同国での抗議デモの暴徒化は、国民に疲れや不満が高まるなか規制強化を検討している欧州各国に影響を与える可能性が高い。

 世界保健機関(WHO)の緊急事態対応統括者、マイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は26日、「欧州が現在新型コロナウイルス感染の中心地であることに疑いの余地はない」と述べた。(c)AFP/Ella IDE and Joseph Boyle with AFP bureaus