【10月26日 AFP】ナミビア中部ウォルビスベイ(Walvis Bay)近郊の砂浜で、ミナミアフリカオットセイが大量死していることが分かった。死んだ個体は推計7000頭に上るとみられる。現地で環境保全プロジェクトを行っている研究チームが24日、明らかにした。

 オットセイの死骸が最初に見つかったのは9月。自然保護団体「オーシャン・コンサベーション・ナミビア(Ocean Conservation Namibia)」の環境保護活動家が、ウォルビスベイ近郊ペリカンポイント(Pelican Point)にある繁殖地の砂浜に複数の死骸が打ち上げられているのを発見した。

 AFPの電話取材に応じた環境保全研究プロジェクト「ナミビアン・ドルフィン・プロジェクト(Namibian Dolphin Project)」のテス・グリッドレイ(Tess Gridley)博士によると、その後10月上旬に2週間かけて行った調査で、ペリカンポイントの繁殖地から多数のオットセイの胎児の死骸が見つかった。

 ミナミアフリカオットセイは通常、11月半ば~12月半ばに出産する。グリッドレイ博士は、5000〜7000頭の雌が流産したとみており、今後さらに多くの胎児の死骸が見つかる可能性があると指摘している。

 大量死の原因はまだ分かっていないが、研究者らは環境汚染や細菌感染、栄養失調などを疑っている。グリッドレイ博士によれば、複数の雌が「痩せこけて衰弱し、ほとんど脂肪の蓄えがない」状態で死んでいたという。(c)AFP