【10月26日 AFP】24日に行われたロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)とのワールドシリーズ(7回戦制)第4戦で、8-7の劇的な逆転サヨナラ勝ちにつながる安打を放ち、ワールドシリーズの歴史に名前を刻んだタンパベイ・レイズ(Tampa Bay Rays)のブレット・フィリップス(Brett Phillips)が、失神して危うく病院送りになるところだったことを明かした。

 戦績を2勝2敗のタイに戻して臨む25日の第5戦の試合前、フィリップスは「喜んでいる最中に、エネルギーを使い過ぎて気を失いそうになった」と話し、チームの医療スタッフの手で点滴を受けたことを明かした。

「脱水状態で、点滴を入れなくちゃならなかった。点滴を打ったのは初めてだ」「トレーニング室へ行って、横になって休んでいるだけなのに脈拍が140以上もあった。みんなに気分を落ち着けて、冷静になれと言われたよ」

「だけどそれだけの価値はあった。興奮で、ちょっと過呼吸が続いただけなら安いもんだ」。そう話すフィリップスは、片頭痛のせいで試合のハイライト映像を見て時間をつぶすこともままならなかったという。

 レイズは試合終了まで残り1死と追い詰められた状況で、ア・リーグ優勝決定シリーズでは登録メンバーにも入っていなかったフィリップスが中前打を放つと、ドジャースの二つの失策も絡んで2点を挙げ、逆転勝ちを収めた。

 レイズの新星ランディ・アロサレーナ(Randy Arozarena)が三塁を回った後に転倒し、いったんは戻ろうとしたものの、相手の失策で本塁へ生還するというてんやわんやな幕切れは、すぐにワールドシリーズの名場面だとして称賛されている。

 8回から代走で出場したフィリップスは、両手を広げてグラウンドを駆けまわった。歓喜に沸くチームメートがその後を追い、ドジャースの面々はその様子をぼうぜんと見つめた。

 フィリップスは「自分でも何をしているのかよく分からなかった」「ワールドシリーズでサヨナラ打を打つのは初めてだった。映像で(ケビン・キーアマイアー<Kevin Kiermaier>が)やるのを見て、飛行機みたいなポーズで飛び出すのがクールだなと思ったんだ」 と話している。(c)AFP/Rebecca BRYAN