【10月26日 AFP】男子テニス、世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が25日、エルステ・バンク・オープン(Erste Bank Open 2020)開幕を控えた記者会見に臨み、自身6回目となるランク1位でのシーズン終了を達成し、子どもの頃のアイドルであるピート・サンプラス(Pete Sampras)氏の記録に並べれば夢のようだと話した。

 33歳のジョコビッチは、これまでに2011年と2012年、2014年、2015年、2018年に1位でのシーズンフィニッシュを経験し、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)らと5回で並んでいる。

 しかし今大会で2勝を挙げれば、1993年から1998年まで6年連続でこの偉業を達成した米国のレジェンド、サンプラス氏と肩を並べる。ジョコビッチは会見で「サンプラスは自分の幼い頃のアイドルで、6回目の年間1位を達成して記録に並べたら夢のようだ」と話した。

 さらにジョコビッチはもう一つ、フェデラーが持つ1位在位310週の最長記録にも挑戦している。26日にジョコビッチは292週になり、このままトップを守り続ければ2021年の3月上旬にはフェデラーを抜くが、本人は世界の現状を踏まえれば、スポーツ界では何も「予測できない」と話している。

「その記録達成は自分の大きな目標で、そこへ向けて取り組んでいる」「3月に実現できればうれしいが、どうなるだろうか。予測できないことがいろいろ起こる可能性があるし、状況は毎週変わる」

 ジョコビッチが今大会に出場するのは、優勝した2007年以来13年ぶりで、初戦は同じセルビアのフィリップ・クライノビッチ(Filip Krajinovic)と対戦。公式戦はナダルに敗れた全仏オープンテニス(French Open 2020)決勝以来2週間ぶりとなる。今季5勝目に向けて順調に勝ち上がれば、決勝では地元のスターで、前回優勝者のドミニク・ティエム(Dominic Thiem、オーストリア)と当たる可能性が高い。

 今大会は、ジョコビッチと全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)覇者のティエムを含め、ランク10位以内の選手が6人出場している。ティエムは初戦で錦織圭(Kei Nishikori)と激突する。

 第3シードにはATPファイナルズ(ATP Finals 2019)王者のステファノス・チチパス(Stefanos Tsitsipas、ギリシャ)、第4シードにはロシアのダニール・メドベージェフ(Daniil Medvedev)が入っている。(c)AFP