【10月26日 AFP】米大統領選で再選を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領陣営が新たな難局に直面している。米国全土での新型コロナウイルス感染急増に加え、政権内部でも新たに感染が多発。さらに25日には大統領首席補佐官が新型ウイルス対策をめぐり政権にとって厄介な発言をし波紋を呼んだ。

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 マーク・メドウズ(Mark Meadows)米大統領首席補佐官は、選挙日を9日後に控えた25日、「われわれはパンデミック(世界的な大流行)をコントロールするつもりはない」と容認。その代わり、「われわれはワクチン、治療法を入手し他の緩和分野を習得するという事実をコントロールする」と述べた。民主党の大統領候補ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領の陣営はメドウズ氏の発言をすかさず取り上げ、トランプ政権の新型ウイルス対策批判を繰り広げた。民主党の副大統領候補、カマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員は遊説先のミシガン州で「彼らは負けを認めている」と発言。「そして私はこれまでこう言ってきた。それからジョー・バイデンも最初からこう言ってきた」と述べた。

 米国の1日の新規感染者数は最近、過去最多を更新。死者数は22万5000人に迫る。

 この週末、マーク・ショート(Marc Short)副大統領首席補佐官を含め、マイク・ペンス(Mike Pence)副大統領の側近が次々と新型ウイルスの検査で陽性となり、政権内部の感染者リストが膨れ上がっている。トランプ陣営の広報担当、ティム・マートー(Tim Murtaugh)氏はFOXニュース(Fox News)で、「副大統領は出張を予定通り続ける」と明言。「彼(ペンス氏)のスタッフは隔離中で、彼はホワイトハウス(White House)の医療チームからの非常に堅実な医療アドバイスに従っている」と述べた。

 トランプ陣営は新型ウイルスをめぐり陣営にとって不利な情報がもたらした打撃をかわそうと、バイデン氏の活力や、同氏の47年にわたる政治家人生の業績を「くだらない」と攻撃した。マートー氏は積極的な活動を控えてきたバイデン氏の選挙運動を非難。バイデン氏が「プレッシャーを感じ」、22日に行われた最後のテレビ討論会の前に「6日中5日休みを取った」と主張した。(c)AFP