【10月25日 AFP】元フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のドライバーで、20F1第12戦ポルトガルGP(Portuguese Grand Prix 2020)のレーススチュワードを務めるビタリー・ペトロフ(Vitaly Petrov)氏が、家庭の事情により大会を離れることになった。メディアは父親がロシアの自宅で銃撃されて殺されたと報じている。

 国際自動車連盟(FIA)は、「私生活での死別」により帰国するとだけ発表したが、国営ロシア通信(RIA)は、父親のアレクサンデル(Alexander Petrov)氏がサンクトペテルブルク(St. Petersburg)から130キロほど北西にあるビボルグ(Vyborg)の自宅で銃撃され、死亡したと報じた。

 25日の決勝では、ポルトガルのブルーノ・コレイア(Bruno Correia)氏が代わってスチュワードを務める。ペトロフ氏は今大会のスチュワードに指名されていたが、人種差別や同性愛者の権利に対する意見が物議を醸していた。

 2010年から12年にかけてF1に参戦したペトロフ氏は、9月の国内スポーツサイトのインタビューで挑発的な発言を繰り返し、反人種差別活動の一環である膝つき抗議への参加を他のドライバーに求めるルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)を批判していた。一人がカミングアウトすれば、ドライバーたちは「みんながゲイになるよう促し」、虹色の旗の下でレースが開催されるに違いないとも話していた。(c)AFP