【10月24日 AFP】米西部ワシントン州の当局は23日、「殺人バチ」として知られるオオスズメバチの巣を国内で初めて発見したと発表した。

【写真】ハムを食べるキオビクロスズメバチ

 米ワシントン州農務局(WSDA)の発表によると、世界最大のスズメバチ種であるオオスズメバチの巣はカナダ国境に近いブレイン(Blaine)の私有地で同局の昆虫学者らが22日に発見した。24日に巣の駆除を試みるという。

 体長は約5センチで、オレンジ色と黒色の模様があるオオスズメバチは、東アジアや日本に生息。通常は人を襲わないが、大量のミツバチを殺すことで知られている。米国に持ち込まれた経緯は明らかになっていないが、2019年12月にワシントン州で初めて発見され、今年7月にはブレインが位置するワットコム(Whatcom)郡で1匹が捕獲された。以来、同州の科学者らは積極的にオオスズメバチを探してきた。

 WSDAは、オオスズメバチの巣が他にもまだある可能性が高いとみている。科学者らは、数年以内にオオスズメバチを駆除しなければ、生息地が北米中に広がり、定着する恐れがあると警告。「定着すれば、ワシントン州の環境や経済、公衆衛生に悪影響を及ぼす」と指摘している。 

 オオスズメバチの有毒針に刺されると激痛を生じる。日本ではオオスズメバチを捕獲し、食用にすることもあるが、刺されて毎年30~50人が死亡している。(c)AFP