【10月24日 AFP】英製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)は23日、オックスフォード大学(University of Oxford)と共同開発した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン候補の米国での治験を再開したと発表した。

 同ワクチンをめぐっては、臨床試験の参加者1人に原因不明の症状が出たことを受け、先月6日に世界的に臨床試験が中断された。だが当局は患者の症状がワクチン接種と関係ない可能性が高いと判断し、中断直後にまず英国で治験が再開された。その後、南アフリカ、ブラジル、日本での治験も再開されたが、米国では中断が続いていた。

 アストラゼネカは「米食品医薬品局(FDA)が本日、ここ数週間で他国での治験が再開されたことを受け、米国での再開を承認した」と述べた。

 アストラゼネカとオックスフォード大学によるこのワクチンは、世界的なコロナ流行に対抗する世界で最も有望で先進的なワクチンプロジェクトの一つとされ、数万人が参加する第3相臨床試験が行われているワクチン10候補の一つ。

 アストラゼネカの発表直後、米日用品・製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も、ワクチンの臨床試験再開に向けて参加者を募る準備を進めていると発表。J&Jのワクチンをめぐっては先週、治験参加者1人が病気になったことを受けて臨床試験が中断されていた。

 J&Jは「治験参加者1人にみられた深刻な症状を徹底的に評価したところ、はっきりとした原因は特定されなかった」と発表。「ワクチン候補が症状の原因となったとする証拠は確認されなかった」と述べた。(c)AFP/Ivan Couronne