【10月25日 CNS】中国と日本の関係や日本の現状について分析した「日本青書 日本研究報告2020」の発表会が15日に中国・北京市で開かれ、「両国は安定した関係の維持を強く必要としている。マイナス面を排除してプラス面を確保し、ピンチをチャンスに変えられれば、近年の安定的かつ前向きな勢いをより高いレベルに前進できる」と提唱した。

 青書は中華日本学会と中国社会科学院日本研究所が社会科学文献出版社と共同発表した。全体報告、政治・経済、対外関係、社会文化、日中関係などに分かれ、その中で「令和」時代を迎えた日本と中国の関係について分析が行われた。

 青書では「新型コロナウイルスの発生により、両国首脳の往来や経済・貿易面で大きな影響を受けたが、両国の基本的な関係を覆すほどの異変は起きていない」と分析。一方で、コロナ禍に協力して対処する必要性が確認され、中国と日本は「運命共同体」である意識も醸成されたとしている。また、両国の経済は下向き圧力と不況のリスクに直面しており、互いに経済協力の強化を求めていると強調した。

 同時に、「日本の対中政策は二面性がある」と指摘。両国の経済関係は安定した状態を保っているが、安全保障面では「建設的で安全な関係を構築する共通認識は強化したが、実践においては困難に直面している」としている。

 青書をまとめた中国社会科学院日本研究所の楊伯江(Yang Bojiang)所長は「新型コロナの感染状況、日本国内の政治的変化、米中関係という『三重奏』をもとに、日本および中日関係について分析していく」と話している。(c)CNS/JCM/AFPBB News