7月9日のドライビング・レッスンの最中、突如、エンジンが掛からなくなるトラブルに見舞われた87号車だったが……。

7月9日に筑波サーキットで開かれたエンジン・ドライビング・レッスンに参加し、午前中、雨のジムカーナ場でオーバル・トレーニングに臨む87号車。このあと、走行中にエンジンが吹け上らなくなり、やがて警告灯が次々と点いて、最後は完全にエンジンが停止した。スターター・ボタンを押しても、ウンともスンとも言わない状態に陥り、トランポで運ばれる結果に。

87号車の修理にはとても時間がかかった。というのも、ここにきてアルピーヌA110には前にこのリポートでも報告したように、リコールが3つ発生しており、すでに87号車は対策済みだが、ちょうどいま工場に入っている車両もいて、作業の順番待ちの状態になっていたからだ。

その間、代車としてA110Sの広報車を貸してくれるというので、これはいい機会だと思い、借りて乗ることにした。筑波サーキットで開かれた試乗会でほんの数周だけ乗り、足回りがかなり固められていることやステアリング操作に対するクルマの動きが断然俊敏であること、高回転域でのエンジンの伸びが素晴らしいことはわかっていたが、公道で乗ったらどうなのか、ちゃんと試してみたかったからだ。

その結果、“S"であってもサーキット走行をターゲットにして開発したわけではないとメーカー側が言う通り、普段使いをしていても、まったく不都合を感じさせることのない実用スポーツカーであることが良くわかった。とりわけ高速走行時には、こちらの方が87号車より直進安定性が高い印象を受けた。高速道路や山道を走る機会が多いドライバーにはこちらの方が適しているかもしれない。とはいえ、街中を走っていると、やっぱり足は固くて乗り心地は良くないし、モノコック・バケットシートもやや窮屈で、頻繁な乗り降りには適さない。やっぱり私にはノーマルのリネージの方が合っているなあ、と思いながら、首を長くして修理が終わるのを心待ちにしていたのである。

87号車が私の元に戻ってきたのは、お盆明けのことだった。故障の原因はオルタネーターが壊れて発電しなくなったことで、そのためにバッテリーまで交換するハメになった。もっとも3年または6万キロの走行までは保証がついているので、金銭的な負担はない。しかし、なぜオルタネーターが壊れたのかは気になる。そもそもの個体の問題なのか、それとも熱に起因するトラブルか。実は87号車は車庫に入れてエンジンを止めた後も、相当に長い間ファンが回り続けていたりするので、よほど熱が籠もるのかと気になっていたのだ。
9月に入り、ようやく楽しみにしていたサーキット走行の機会が訪れた。ところがその帰り道、またしても突如エンジンが停止するトラブルに見舞われたのである。以下次号。

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬

■87号車/アルピーヌA110リネージ
ALPINE A110 LINEAGE
新車価格:844万4000円
導入時期:2020年1月
走行距離:2278㎞

(ENGINE2020年11月号)