【10月22日 AFP】米フロリダ州当局は、有権者登録の際に支持政党を民主党と申告した有権者らに宛てて、来月3日に迫った米大統領選でドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領に投票しなければ「お前を追い回してやる」と書かれた電子メールが送付された件を捜査していると発表した。

 メールは全て同じ文面だったが、受取人はそれぞれ指定されていた。送り主は極右団体「プラウド・ボーイズ(Proud Boys)」だとされるが、警察は「詐欺メール」との見方を示している。

 メールは、「われわれはお前の全情報を握っている。お前は現在、民主党員として登録されている。われわれは投票インフラ全体にアクセスし、この情報を得た」と主張。

「お前は、選挙当日にトランプ氏に投票するんだ。さもなくば、お前を追い回してやる。支持政党を共和党に変更し、お前がわれわれのメッセージを受け取ったことと、それに従うという意思を示せ。われわれは、お前がどちらの候補に投票したかを知ることができる」と続いている。

 末尾には「もし私がお前なら、これを真剣に受け止めるだろう」とあり、受取人の住所を記した上で、「幸運を祈る」と結ばれていた。

 米各州の有権者登録情報には、有権者の氏名、住所、支持政党が記録されている。

 フロリダ州北部アラチュア郡(Alachua County)の保安官事務所は、「広範囲に送り付けられた、プラウド・ボーイズからとされるメールについて把握している」とフェイスブック(Facebook)を通じて発表。「詐欺のようだが、メールの発信元について捜査を開始する」とし、米連邦捜査局(FBI)や州選挙当局の協力も仰ぐ方針を明らかにした。

 米国内のヘイトグループ(憎悪団体)を監視する南部貧困法律センター(SPLC)によると、プラウド・ボーイズは女性憎悪とイスラム嫌悪で知られる国粋主義者のヘイト集団。米大統領選の第1回候補者討論会で、白人至上主義者を非難するかどうか問われたトランプ氏が「プラウド・ボーイズ、下がって待機せよ」と発言したことで注目を集めた。(c)AFP