【10月22日 AFP】(更新)米航空宇宙局(NASA)は21日、無人探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-Rex)」が地球近傍小惑星「ベンヌ(Bennu)」で行ったサンプル採取の様子を撮影した画像を初公開した。サンプル採取は成功したとみられる。

 ミッションの主任研究員ダンテ・ローレッタ(Dante Lauretta)氏は、石や塵(ちり)などが飛び散る画像について「われわれが期待していた通りの乱雑さ」が確認できたと述べた。

 NASAは、探査機がベンヌに接近する様子を捉えた映像を公開し、探査機のロボットアームが割れやすそうな岩を砕く瞬間や、圧縮窒素の噴射で石や塵が舞い上がる様子など、ミッションの中でも最もアクションに満ちたシーンを一つ一つ解説した。

 ローレッタ氏は「これまでに得られた画像を分析した結論を言えば、サンプル採取は想定していた通り、実にうまくいった」と説明。「粒子がそこらじゅうを舞っている。われわれが行ったのは小惑星の地表を散らかすようなことだが、これはよい散らかり方だ。われわれが期待していた通りの乱雑さだ」と述べた。

 地球から3億3000万キロ離れたベンヌまで4年かけて到着したオシリス・レックスは20日、岩石が散らばる地表への短時間の着地に成功した。

 地球帰還は2023年9月の予定で、サンプルを無事に持ち帰れば、月面探査計画アポロ(Apollo)以降で最大規模の宇宙物質サンプルとなる。科学者らは、太陽系の起源解明に役立つと期待を寄せている。(c)AFP