【10月27日 AFP】11月3日の米大統領選で再選を目指すドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は他国の指導者について、長年の外交儀礼を大きく逸脱する発言をして、たびたび世界を揺るがしてきた。そんなトランプ氏の発言の中から、特に印象的で物議を醸したものを以下にまとめた。

■プーチン氏を称賛

 トランプ氏はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領について、2016年米大統領選の期間中に「(世界中で)非常に高い評価を受けている」と表現するなど、温かい言葉を送って何度も米政界をあぜんとさせてきた。

 フィンランドの首都ヘルシンキで2018年に行われた初の公式会談では、ロシアがトランプ氏を支援しようと米大統領選に干渉したという米情報機関の調査結果について、「プーチン氏はロシアではないとだけ言った」「プーチン大統領はきょう、きっぱりと、力強く否定した」と述べた。プーチン氏側の肩を持ったかのようだった。

■「タフで抜け目のない」指導者ほど気が合う

 トランプ氏は、自由民主主義国家の指導者と衝突する一方、強権主義的な支配者とうまが合った。

 ジャーナリストのボブ・ウッドワード(Bob Woodward)氏が著書「Rage(怒り)」のために行ったインタビューの中で、トランプ氏はトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領について、「非常にうまが合う。みんなが『ひどいやつだ』と言っているから、誰もがそうできるとは思わないが」と述べている。さらに、「おかしなものだ。私の人間関係というのは、相手がタフで抜け目がないほどうまくいく」とも語っている。

 米国を拠点にサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子(Crown Prince Mohammed bin Salman)を批判する執筆活動を行っていたサウジ人ジャーナリスト、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害された事件でサウジが非難の的になった後、トランプ氏は「私が彼(サルマン皇太子)を救った」と述べた。

 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、エジプトのアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領と2019年に会談した際、トランプ氏は、「私のお気に入りの独裁者はどこだ?」と述べてシシ氏を歓迎し、人々を驚かせたという。