【10月21日 AFP】米ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の不法入国者を厳格に取り締まる「ゼロ・トレランス(不寛容)」政策の一環として、2018年にメキシコ国境で引き離された移民親子のうち、545人の子どもの親が現在も見つかっていないことが20日、裁判所への報告書と人権団体の発表で明らかになった。

 米国自由人権協会(ACLU)は「われわれは訴訟を通じて、トランプ政権の残酷な家族引き離し政策で強制的に離れ離れになった子どもたち545人の親が、まだ見つかっていないことを裁判所に報告した」とツイッター(Twitter)上で発表した。

 トランプ政権は2018年5月、メキシコ国境で移民親子の引き離しを開始したが、国内外から非難を浴び、開始から6週間後にトランプ氏自身が、親が子どもに「危険」をもたらさない限り引き離しをやめると発表した。

 米CNNが報じた報告書の内容によると、現在も見つかっていない親の3分の2は、すでに国外退去処分になっているものとみられる。

 またNBCニュース(NBC News)は、現在も所在が分からない親たちについて、ゼロ・トレランス政策よりも前の2017年の試験プログラムで子どもと引き離され、国外退去処分になった移民だと報じている。

 引き離された子どもたちの親捜しは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)の影響で中断されていたが、報告書によると「可能な範囲で、物理的な現地捜索が再開されている」という。

 裁判所は2018年に政府に対し、引き離された家族を再会させるよう命じている。(c)AFP