【10月21日 AFP】ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2020)は20日、第1ステージ(イルンからアラーテ、173キロメートル)が行われ、チーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)の前年王者プリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)が区間優勝を果たした。一方、イネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)は、11分遅れで初日を終えた。

 ツール・ド・フランス(2020 Tour de France)で総合2位に終わったログリッチは、5キロメートルに及ぶ最後の上りで生き残った先頭集団とのスプリント勝負を制した。

 今回のブエルタがイネオスでのラストレースになるフルームは、リーダーのリチャル・カラパス(Richard Carapaz、エクアドル)のために最後の坂でスピードを上げたチームに置いていかれた。

 2位にはそのカラパスが入り、フルームが来季加入するイスラエル・スタートアップネーション(Israel Start-Up Nation)のダニエル・マーティン(Daniel Martin、アイルランド)が3位に続いた。

 18か月前に恐ろしい落車を経験し、この日は最後の上りに入る前に後れを取ったフルームは「最後から2番目の坂に入るところで苦しくなった。かなり後方で上り始めて、後ろでのクラッシュで動けなくなった」とコメントした。

 それでもツールで4度の総合優勝を誇る元王者は、「この場所にいられて本当に幸せ。ここ2年はグランツール(三大ツール)に一つも出場できなかったから、この舞台でレースできて本当にうれしい。一日一日レースに臨み、チームのためにできる限りのことをしたい」と続けた。

 最後の500メートルで持ち前の末脚を見せたログリッチは、後続との差を数秒にまで広げる快勝を収め、赤ジャージー(マイヨ・ロホ)を手にした。

 ログリッチは前年王者として今大会に臨んでいるが、先日のツールでは最後に大きく崩れてマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を逃しており、今回こそ実力を証明しなければならない。

 ツール同様、チームメートのトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)、セップ・クス(Sepp Kuss、米国)、ジョージ・ベネット(George Bennett、ニュージーランド)のアシストを受けたログリッチは「とても幸せ。チームメートはまたしても強さを証明した」と話した。

 2週間後の日曜日にスペインの首都マドリードで終了する今大会について、元スキージャンパーの肩書を持つログリッチは「彼らが一日を通して完璧な仕事をしてくれたから勝利できた。トップに立てるなんて最高のスタートだ。一日一日を楽しみたい」と述べた。(c)AFP