【10月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は20日、民主党大統領候補のジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領を「犯罪者」と呼び、司法長官に対しバイデン氏を捜査するよう要求した。

 投票日が2週間後に迫った米大統領選では、バイデン氏が今週に入ってから遊説をほぼ停止しており、22日の第2回討論会に向けた準備に入ったとみられている。一方のトランプ氏はその空白を埋めるように激戦州で集会を連夜開催し、バイデン氏の政治腐敗を主張する真偽不明の説を執拗(しつよう)に追及している。

 トランプ氏は2016年の大統領選で、本選直前に対立候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏の誠実さに対する疑いの種をまくことに成功。今回の選挙でも同じ戦法に頼ろうとしている。

 トランプ氏が主張しているのはバイデン家のビジネス活動をめぐる陰謀論で、バイデン氏がバラク・オバマ(Barack Obama)政権で副大統領を務めていた際、息子のハンター(Hunter Biden)氏が父に近づく権利と引き換えに中国とウクライナから金銭を受け取っていたとするもの。

 この疑惑は最近、トランプ氏に好意的な米紙ニューヨーク・ポスト(New York Post)の報道により息を吹き返した。同紙はトランプ氏支持者が提供した情報に基づく新事実として、ハンター氏が所有するノートパソコンから同氏の犯罪行為を裏付ける情報が発見されたと伝えていた。

 20日、FOXニュース(Fox News)の番組に出演したトランプ氏は、バイデン氏を「犯罪者」と呼び、ウィリアム・バー(William Barr)司法長官に対し「迅速な行動」を求めると発言。「これは選挙前に公にしなければならない」と主張した。(c)AFP/Sebastian Smith