【10月23日 CNS】中国・浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)で紀元前3000年ごろに栄えた「良渚文化」を伝える杭州市の良渚博物館と良渚古城遺跡公園(Archaeological Ruins of Liangzhu City)で、今月上旬の国慶節連休中、AR(拡張現実)技術により展示物を紹介する「ARスマートガイドグラス(眼鏡)」が登場した。グラスを通じて展示物を見ると、立体的かつリアルな映像情報が次々と登場し、5000年前の人々の生活を感じ取ることができる。

 良渚文化は長江文明の一地域で、杭州市良渚で発掘された。江蘇省(Jiangsu)から博物館に訪れた莫顔多(Mo Yanduo)さんは「展示内容を理解するためには音声ガイド機器などが必要と思っていましたが、このARグラスは現実世界で見えないものも見えるので、歴史をじっくり理解できました」と感心していた。

 ARグラスのデザイン会社責任者の周剛(Zhou Gang)さんによると、5G技術を導入したこのARグラスは従来品に比べて精密な3D技術と多くのデータ容量を誇り、来場者に「5000年の時を旅する」ことを可能にした。周剛さんは「このARグラスなら屋内・屋外あらゆる場面で3D映像を使った説明ができます。ガイドの説明よりも確実に臨場感があります」と胸を張る。

 ARグラスに加えて、良渚古城遺跡公園では新規開設して間もない「良渚古城デジタル体験ホール」も人気を集めている。狩猟や家屋の建築、祭祀(さいし)などの様子を映像でリアルに再現しており、上海市から訪れた韓偉勇(Han Weiyong)さんは「5000年前と言えば原始的な暮らしを想像していましたが、集団で高度な暮らしをしていたことがよく分かりました」と話す。

 良渚博物館と良渚古城遺跡公園は新型コロナウイルス対策で来場者数を制限しているが、国慶節連休以降の来場者は上限近くに達しており、省外からの観光客が約45%を占めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News